便秘を知れば対策が取れる
【便秘のメカニズム】
最近、治療中によく相談されるのが、「お腹の不調」です。具体的には、「お腹が痛い」、「お腹を下しやすい」、「便秘」の3つが多いです。お腹のトラブルが多くなるのも夏の特徴です。特に、それらの中でも多いと感じるものが「便秘」です。なぜ、この暑い真夏に便秘になるのか?原因は?症状は?続くとどうなるの?対策や気をつけることは?
【便が出来上がる仕組み】
食べ物を消化して、栄養素を吸収するそのほとんどの働きは、胃と小腸です。あなたが食べた物は、食道→胃→小腸の順番で約3~4時間かけて大腸に届けられます。そして、大腸で便がつくられます。なので、「消化吸収で重要なのは胃や小腸」そして、「お通じで重要なのは大腸」となります。ということは、便秘というのは結局、大腸がカギを握っているのです。
では、その大腸ってどうなってるの?口から入った食べ物は、口→食道→十二指腸→小腸→大腸の順番で送られます。大腸は消化器系の最終関門です。大腸は大きく分けて3つの部分に分かれます。・盲腸・結腸(上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸)・直腸の3つです。大腸は約1.5mの長さがあります。小腸から大腸に送られてきた消化物はドロドロの液状をしています。それが、大腸を進むにつれて水分が吸収され固形化して、最終的に便として排出されます。
じゃあ、便秘ってどんなもの?便秘の原因は?何で、便秘になるの?「便秘=便が出ない」だけではありません。
【便秘ってどんなもの?】
回数は大きな目安にはなりますが、それだけでは便秘だ・便秘ではないと言い切れません。医学的にみると、1日3回~3日に1回までは正常とみて良いそうです。回数とあわせて重要なのは、「スッキリ!」出たかどうか。上記の回数それ以上に、排便したとしてもスッキリ出ていないとNGです。
硬かったり、
ウサギさんみたいにコロコロうんちだ。
いきんでも出にくいし
出たとしても残便感がある。
いきむだけでは出せないから
指でかき出す。
これらの問題が頻繁にある様でしたら、便秘と言えます。じゃあ、何で便が硬くなったり、ウサギさんみたいになったり、出にくかったり、残っている感じがあったり。なんで、そんなことが起こるのでしょうか?便秘の原因はたくさんあります。
そこで一つポイントになるのが、「便意」と呼ばれるものです。「便意」とは、つまり、大便がしたくなることです。「便意」の意味をちょっと辞書で調べてみました。大辞林 第三版(三省堂)によると、「便意」とは・・・・【大便がしたくなる気持ち。】だそうです。これを見て吉本新喜劇みたく、何だか僕はイスからひっくり返りそうな気持ちになりましたが・・・。まあ、簡単に言うと「ウ○チしたくなる。」と言うことです。
では、この「便意」が便秘とどの様な関わりがあるかというと、したくならないと、出そうとしないからです。
【便意を感じる仕組み】
胃に食べ物が入ると、胃から大腸に信号が送られ大腸が動いて便を直腸に送り出します(胃–結腸反射)。すると、その情報が「仙髄の排便中枢」という神経に伝わり、直腸で便を送り出す働きが強くなります(排便反射)。それと同時に、脳にも「出す準備OK!」の信号が送られます。そして、僕たちは、「ウ○チしたい・・・。」となるのです。
便秘の原因は、「便意」につながる一連の情報や信号のスムーズな受け渡しを上手にできないこと。大腸そのものの動きの問題。大きくこの2つが原因と言えます。
それでは、さらに原因別に3つのタイプに分けて説明します。
【原因別にみる便秘の3つのタイプ】
大きな病気がある場合を除いて、便秘の原因は大体、・大腸の動きが悪いタイプ・大腸からの信号が弱いタイプ・自律神経を乱しているタイプ、この3つのタイプに分かれます。
【大腸の動きが悪いタイプ】
大腸の蠕動(ぜんどう)が弱いため、便が大腸を通過するのに時間がかかるタイプの便秘です。蠕動(ぜんどう)とは、ミミズやイモ虫みたいに身をくねらせてウネウネうごく動きをいいます。大腸はこの蠕動運動を使って、ウネウネ動いて大腸の中の便を、順繰り順繰り送って行きます。
このタイプの便秘は弛緩性便秘とか通過時間遅延型便秘と呼ばれています。「何日も便が出ない。」など、排便の回数が少ないことが特徴です。
【大腸からの信号が弱いタイプ】
胃に食べ物が入ると、胃から大腸に信号が送られ大腸が動いて便を直腸に送り出します(胃–結腸反射)。直腸に便が到着すると、直腸から「便がたまったよー!」と脳に信号が送られます。この脳への信号が弱いことが問題で便が出にくくなるタイプです。直腸性便秘とか便排泄障害型便秘と呼ばれます。
このタイプは、「いきんでも出にくい」「残便感がある」など便が出にくいのが特徴です。
【自律神経を乱しているタイプ】
職場や家庭など、日頃のストレスが多い人が、このタイプです。自律神経のバランスがくずれて
大腸の蠕動運動が不安定になってしまいます。過敏性腸症候群の便秘型が、このタイプに相当し、痙攣性便秘とか通過時間正常型便秘と呼ばれ,腹痛や腹部膨満感を伴うことが特徴です。ウサギさんみたいな”コロコロう○ち”なあなたはこのタイプです。
あなたの便秘は、どのタイプの便秘でしたか?
1つだけではなく、2つ当てはまる方もいらっしゃるかもしれません。そして、ひと口に便秘と言っても大病が隠れている場合もあります。いつもと違う感じや強い痛みが伴う場合、まずは近所の消化器科(消化器内科)か胃腸科を受診してみてください。
慢性痛専門ひろの整体院では便秘でお困りの方は股関節の動きの悪さを検査いたします。
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